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2018.03.23

第24回 夜逃げについて

皆さん、こんにちは。今日は残念な感じのテーマ、夜逃げについて書いてみようと思います。

 

私が以前勤務していた時に起こったことです。その部屋、忘れもしない201号室ですが、法人で賃借されていました。で、珍しく1か月の家賃滞納があり、手紙や電話でも全く連絡が取れない状態になってしまいました。あれ、おかしいな?と思い、同僚と2人で物件に張り込むことになりました。

 

待つこと数時間、全く現れる気配がないので、おかしいなと思い、扉に紙を挟んでその日は帰りました。私は、いやな予感がしたので、後日手紙を入れて、室内で何かあってはいけないということで、緊急の不在入室を敢行しました。(もちろん、連帯保証人がいらっしゃいましたので、その方の同意はもらいましたが。)

 

すると、荷物だけを残して入居者は行方をくらましてしまったようでした。悲しいかな、それについて数カ月も大変な目にあったのは言うまでもありません。

 

こんな時、どうするかというと、勝手にその住人との賃貸借契約を解除することはできません。でも、夜逃げですから、戻ってくることもないでしょう。こういう時は公示送達という手続きを取ります。住所地を管轄する簡易裁判所に申立てをして契約解除の意思表示を掲示してもらいます。

 

裁判所に提出する訴状には、支払期日を定めて未払いの賃料を払ってもらうこと、支払いがない場合には賃貸借契約を解除すること、建物の明渡を求めることなどを明記します。それが官報に掲載されてから2週間経過すると相手方に意思表示が届いたことになります。

 

あとは、信頼関係が破壊されたかどうかの判断を裁判所で裁判して判断してもらうことになります。残置物は、その確定判決などの債務名義に従って強制執行という流れになるのです。

 

お願いですから、夜逃げの前に残置物処分の承諾書とお金を置いて出て行ってもらいたいものですね。 

2018.02.18

第23回 改正民法について

皆さん、こんにちは。今日は民法の改正について書こうと思います。

 

平成29年5月26日に企業や消費者の契約についての改正民法法案が通りました。賃貸借契約で変更があったのは、個人保証の極度額を明記しなけらばならなくなったこと、敷金の返還義務が定義づけられたこと、エアコンの故障や水漏れなどの故障があった場合に家賃減額が認められたことなどです。

 

もし、賃貸マンション管理会社さんの契約書がこの民法通りになっていないとすれば、今後変更の必要があります。それでは、詳しく見ていきましょう。

 

①敷金ルールの明文化

原状回復のガイドラインが法律に明文化されます。既に一般化されてきておりますが、賃借人に特別の負担を課す場合は、きちんとした特約の締結が必要となります。

 

②保証の極度額を規定

選任する場合、保証の「極度額」を定めることが必要となります。現在では、保証会社の利用が一般的になってきていますので、個人の連帯保証が敬遠され、なくなる日も近いのでは?と思います。

 

③一部滅失により賃料は当然減額

居室が一部使用収益ができなくなった場合、賃料減額請求をしなくても、当然に賃料が減額されることになります。例えば、エアコンが使えなかった場合、雨漏れがする場合などです。では、いくら減額したほうがよいのかについては、決まっていませんので、家主さんと管理会社さんで事前にお話しをしておいた方がいいのではないでしょうか。

 

以上が改正される民法の内容です。2020年6月までには施行される予定ですから、皆さんもご準備されるようにした方がよいですね。

2018.01.11

第22回 家賃の振込手数料は貸主と借主のどちらが負担するのか?

皆さん、こんにちは。今日は、家賃の振込手数料について書きます。以前、入居者さんが、『お客さんが振込手数料を払うのはおかしいんじゃない?』なんて言われたことがありました。汗 では、見てみましょう。

 

民法では、2つの参照条文があります。

 

民法第484条

弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。

 

民法485条

弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

 

では、家賃の振込手数料について見てみましょう。本来家賃の全額が大家さんに振り込まれてやっと持参したということになりますので、振込手数料を差し引いての振込ということはできないのです。

 

家賃についてお金を払う人は入居者さんとなりますので、民法485条通り、弁済の費用は債務者の負担となります。従って振込手数料の負担は借主さんということになります。契約書にこれと異なる特約を付けることはもちろん可能です。

 

以上により、借主さんで振込手数料を負担してもらうというところが多いです。参考になりましたでしょうか?

2017.12.07

第21回 建物の耐用年数の考え方

皆さん、こんにちは。今日は、建物の耐用年数について考えてみようと思います。いくら既存の建物を活かして改修工事をしようと思っていても、すぐに建て替えが必要になるようなことでは、無駄にお金を捨てるようなものです。

 

いくら素敵な建物でも、耐用年数が原因で取り壊されてしまうケースもあります。しかし、この耐用年数については、いろいろな考え方があるのです。

 

一般的に耐用年数というと、税法で規定された法定耐用年数を思い浮かべると思います。しかし、これはあくまでも税務上の減価償却費を算出するための基礎となる年数で、現実の建物の耐用年数とは違います。しかし、税務上はこの耐用年数が経過した時点で建物の価値がなくなったものとみなされます。

 

それでは、現実のものとしての建物の太陽年数はどのように考えたらよいのでしょうか。ここで、物理的耐用年限という考え方があります。老廃化して物理的に建物としての機能を失って「朽廃」してしまう耐用年数を物理的耐用年限と言います。

 

一般的にはそのような状態になるには、維持管理がきちんとされていない場合、木造では40年以上、鉄筋コンクリート造では70年以上経過した建物あたりが対象となるであろうと思われます。

 

この他にも機能的耐用年限や社会的耐用年限という考え方もありますが、賃貸建物で重要なのは経済的耐用年限です。建物としての物理的、機能的価値などが減少した場合、それらの価値の減少を補うための修繕や取替、改修が必要になりますが、それに必要な費用や価値の増価よりも、その建物を解体して建て替えた方がより経済的価値が増加すると考えられる年限を、経済的耐用年限といいます。

 

建物自体の価値の減少に伴う要因だけでなく、老人が多くなり老人専用にしたほうが収益率がよいとか、都市計画が変更されて容積率が2倍になったため今までの建物の2倍の規模の建物に建て替えた方が収益も上がるといったように、収益効率から建て替えが選択される年限も経済耐用年限と言われます。

 

このように耐用年数の考え方にもいろいろありますが、明確に数値として示されているのは法定耐用年数だけです。しかし、法定耐用年数は建物の物理的現象を必ずしも反映していないため、耐用性の考え方から外して考えると、前記の物理的耐用年限の大きな要因は建物の劣化であり、経済的耐用年限は陳腐化が大きな要因となっています。

2017.11.16

第20回 害虫や小動物の駆除について

こんにちは。今日は、害虫や小動物の駆除について書きます。

 

ネズミや害虫は、数々の疫病を持っている恐れがありますので、必要に応じて捕殺や薬殺を実施します。これらの駆除は特殊な業務ですから、専門業者に外注(※シャレではありません!)される場合が多いです。ネズミ類の防除は、侵入口の防止措置と巣を作らせないことやえさとなるものを置かないことが第一となります。

 

害虫類の駆除は、建物全館一斉の薬剤散布を行います。特に、延べ床面積が3,000㎡以上の「特定建築物」は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」により、その防除が義務づけられています。

 

鳩は、ベランダに住みついて糞で建物を汚したり、洗濯物を汚したりします。人によっては喘息などの原因にもなりえます。鳩対策に効果的な方法はえさを与えないことです。ベランダの室外機の裏側や、室外の換気口にも巣を作ることがありますので、ベランダを掃除するときに注意することが必要です。

 

シロアリは建物の柱等に侵食し、建物を破壊します。放置された残材や木屑をエサとして、湿気のあるところを好みますので、そのような状況を作らない必要があります。

 

これらの害虫や小動物からの被害を防ぐためには、環境を整備し、清潔さを保ち、害虫や小動物が寄り付かない状態を作ることです。害虫や小動物がすみついたら、これらの駆除は素人では難しいので、捕殺・薬殺等必要に応じて専門業者に依頼します。

 

厄介ですが、事前に専門業者と連携しておくことと、入居者さんに使い方を指導する、これしかありませんね。

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